旅の料理人

キッチン花水木 オーナーシェフ
田中 裕信さん

黒崎屋では、富山のよきものをたくさん揃える新時代スーパーを目指しています。その新時代スーパーを支えてくれている生産者や委託販売者の方々をホームページでご紹介していきます。

1回目は、“のぶくん”の愛称で知られ、大人気の料理人、キッチン花水木オーナーシェフの田中裕信さんです。田中さんは、黒崎屋に並ぶステキな素材に魔法をかけて、季節に合ったおいしい料理を黒崎屋に並べてくれています。その魔法はどのように生まれたのか?田中さんが今に至った旅のストーリーに迫りたいと思います。

旅は幼少期から

人生の引越し21回を経て、今富山市花水木通りに店を構える「キッチン花水木」。ようやくこのお店が旅のゴールなのか、はたまた旅は続くのか…。

田中さんは、家族の転勤などの影響で、各地を転々と過ごしてきました。「一か所にとどまるより、いろいろなところにいる方が性に向いているのかも」という言葉通り、その後はプロスケーターに。海外の各地を回って、いろいろなものを見てきたと言います。

その時に海外で言われたのが、「日本人で皿洗いと料理ができれば、どこでも生きていける」ということ。その言葉を胸に刻みながら、アウトドア用品店や地元食材を提供するスーパーの立ち上げ、料理店での料理修業を経て独立。

今では田中さんにしかできない、アウトドア料理や山菜料理など強みも生かし、活躍されています。

掛け合わせて、他の人が提供できないスタイルへ

今のフィールドはお店だけではありません。1組限定の予約制のレストランに、出張の料理教室、結婚式やイベントでの出張の料理提供「ケータリング」、お弁当・オードブルづくり、他店のメニュー開発、そして黒崎屋での真空にした料理の提供など多岐にわたります。

「お店を持つとフレキシブルに対応できない」と今のスタイルになったのだそう。

1組限定の予約制レストランでは、5名以上で予約ができ、飲み物も持ち込み可能。田中さん1人で料理を提供しているので、飲み物はお客様の好きなものを持ってきてもらっておいしく食べていただくのもいいのではとこのようなスタイルに。

出張料理教室では、ご自身が山へ入る、海へ潜るなどしたり、農家さんなど生産者のところへ自ら出向いたりしているので、その感性を生かして、料理教室で素材への想いを吹き込みながら皆さんに伝えています。

現状は、ケータリングがメイン。規模も家族単位から300人ほどのパーティーまで様々。また、遠くは沖縄へも出張するほどの旅の料理人で、家族で旅行も兼ね、旅と仕事を掛け合わせて料理を提供してきたと話します。「最初、沖縄で依頼を1件受けて出発。その後は参加者の人が『家でもぜひ』と広がっていく。その場の醍醐味がある。どんな状況でも料理ができるようになり、『この状況でも大丈夫だ』と気持ちが盛り上がっていく。」と続けます。普通の料理人であれば、揃った環境でないと安心しないところ、状況が違うからこそ楽しいという田中さん。どんな状況でも、素材とお客様を第一にシンプルに考えた結果が今のスタイルなのかもしれません。

料理で大切にしていること

田中さんの料理は、本人を表すかのように、見た目も味も楽しいもの。『食材の持ち味や個性を引き立たせること』を大事にしていると田中さん。

自分で素材を見にいき、採りにいったり、自分自身が食材のストーリーを知っているからこそ、その“命”をどのようにいただくのがベストなのかを考えているのでしょう。食を大事にしているからこそ、信頼も厚く、人が集まる…突然、夜お店を開けるとinstagramで告知をしても仲間が集まってくる。それは田中さんが食を通してつながりを作っている証拠。

食を大事にすれば、その先に人も集まる。そんな当たり前を田中さんは体現しています。これからも人のつながりを作りながら、活躍の場を広げていく。そして食の幅も広げていくのでしょう。研究熱心な田中さん。彼から目が離せません。

そんな田中さんが作った料理が黒崎屋で毎日購入できます。季節に合った素材を最大限に生かして、真空などにして提供。保存料なしでおいしさを長持ちさせる工夫をしています。6月は、鶏とクリームチーズ、ハーブのディップや新じゃがと鶏のローストなどが並んでいました。「今月は?」とぜひ楽しみに店で商品を探してみてくださいね。

photo:徳光典子
writig:松田悠

キッチン花水木
オーナーシェフ 田中 裕信さん
〒930-0056
富山県富山市南田町1-2-13
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